1999年9月28日 9月28日(火)

  今朝起きたら、やっぱり筋肉痛だった。ケツ筋と、太ももの所が痛かった。きのうの冠着山登山のせいだ。

  きのうの話ね。きのうは社長と店長が冠着山に登る日だった。わたしはオフだったので、午前中バスケの練習に行きお昼に会社に顔を出したら、社長が

  「あんたも一緒に登るか。」っていった。ちょうど出かける所に顔をだしたのがまずかった。

  社長にいわれれば、断りきれない。しかたない、登りますか。ってことになった。

  そこへ、店長も来た。店長は準備万端。気合が入っている。

  帽子にジャンバーをはおり、ジャージにピカピカのスポーツシューズをはいている。社長は作業着に、てぬぐいのほっかぶり。私は、アディダスのハーフパンツにTシャツ。

  3人3様の格好で出発した。今回のコースは大池キャンプ場からの片道2時間往復4時間コース。

  大池キャンプ場につき、登り始めた。ここからは、だらだらした登り坂の林道を1時間30分歩く。森のにおいがすがすがしいよ。森から発散されるナントかという物質が精神を安定させるらしい。

  で、道々「この山には、くまは出ないというけど、くまが出たらどうする?」「くまが出たら、社長に投げ飛ばしてもらおう。」とか、バカ話をしていたら、突然へびが横切った!「きゃーー」

  「そうだ、マムシが出たらどうする?よく山でトイレをしていてお尻をかまれるんだよね。女性はあぶなけど、男性はいいよね。」っていったら、

  「男だってあぶないよ。立ちションしていていきなりガブッてやられることがあるらしい。あたし女よってなっちゃう。」と社長。じゃあ、トイレしないほうがいいな、そうだそうだ、と一同。

  山の風景を楽しみながら、歩いて行くと栗があちらこちらに落ちている。

  「おおー。栗だよ。中身がないけど、動物がたべたんかな?人が拾ったのかな?」

  すると、社長がいきなり栗の木を揺らしている。「何してるんですかあ」

  「栗をおとして拾っていくんだ。栗ごはんにすればうまいぞ。」といって盛んに栗ひろいをしている。

  「社長、遊ぶのはいい加減にして、はやく登りましょう!」あきれた店長と私。

  今度は「きのこは出てるかな?」と山の中をのぞく。すると「入山禁止」の立て札がある。「まつたけ山か?」

  店長今度ははりきって「中に入って、まつたけでも取りますか。学生時代よくやったんですよ。」おいおい、それはまずいだろ?

  で、立て札に「罰金30万円」って書いてあった。一同「やめやめ。」

  店長はきのこにはうるさいらしく、山のきのこについて講釈を言い出した。「あみたけ、とか、じこぼうとかあるけど、あかんぼうが一番うまいんですよ。千本しめじというのはなかなか見つけられないけどあれもうまい。まつたけは、取るのが難しいんですよ。木の葉が少し盛り上がっているのを注意深く見つけて掘ると、あるんですよ。感激ものですよ。」

  すると、道端に雑きのこが出ていた。「おおー。食えるかな?ちょっと食ってみるか。」と社長。

  「社長、いい加減にしてくださいよ。」まったくサバイバル社長だ。

  で、やっと、登り口に到着。ここからが急坂だ。ちょっと、ここらで一服。

  いよいよ、急坂を登り始める。息がきれる。でも、へっちゃら。バスケをしている方がずっとハードだよ。で、店長が遅れ始めたので、店長を先頭にした。店長も社長も、黙々と登っている。私は「おおー、もうじきだ。ファイト。」とか、ベラベラしゃべっていて、みんなのヒンシュクをかった。「少し黙ってろ。」だって。

  やった。登頂成功!きょうは、天気がいいので、見晴らしも最高。信州の山々が広がっているよ。

  店長は感激して、「そうだ、みんな心配してるかもしれない。」って早速携帯電話でバビデへ連絡していた。

  「今、到着したよ。去年よりずっとがんばれたよ。体力がついたんだ。店長がんばったぞ。」とか言って部下に連絡していた。店長かわいいね。ちなみに、電話の向こうで部下たちが大笑いしていたって。

  頂上に神社があるんだけど、そこに3人記帳してから、祈念をした。「バビデの発展」この1点で社長と店長の心がまた1つになった。そばで、見ていた私は、このわずか数秒の心が1つになった瞬間を見逃さなかったよ。

  それから、下山したんだけど、急なくだり坂が足にきた。わたしは、去年切ったアキレス腱の傷が痛み出し、店長はねんざ癖の足首にきた。「いたい、いたい。」と言いながら、また来た道を帰った。

  「来年は体力目標の評価基準をどうするかな。水泳1500m30分にするか。」

  「それじゃ水泳の選手になれますよ。」「じゃあ、バビデから冠着山に登るか。」

  「社長、それは自分に死ねといってるのと同じですよ。」

  社長と店長はもうやりあってるよ。あの頂上での出来事をわすれちゃったのかな?ウフッ。